設計ネタ

設計ネタ

プロフェッショナルは定量的に語る

もう30年ぐらい前のことだったと思います。まだ機械設計者として駆け出しだった頃、自分が設計したスピンドルユニットが発熱し、筐体入口のゴム製シールが劣化して防塵機能が効かなくなるという不具合に見舞われました。 当時はなぜ発熱するのか、そのメカニズムすらわかりませんでした。知見を得るため、付き合いのある商社経由でその道のプロフェッショナルに来ていただき、教えを請うことにしました。来られたのは年...
設計ネタ

LMガイドの取り付け方法

LMガイド(リニアモーションガイド)は設備でもっともよく使われる直線ガイドです。これをベースプレートに取り付けるときはレールに設けてあるボルト取付穴を使いますが、当然0.1mm単位のガタがあります。 しかしほとんどの場合LMガイドが動作の基準になるので、ガタを気にせずいい加減に取り付けて良い訳はありません。何らかの取付基準がほしいところです。そのためよく取られる設計手法は、下図のよ...
設計ネタ

はめあい公差使用のススメ

今回は機械設計の話です。 2つの部品を組み合わせる際、それぞれどれぐらいの公差にするかを設計者は決めなければなりません。 その際、公差を具体的な数値のみで指示する場合と、はめあい公差で指示する場合の2種類の方法があります。 例えば穴と軸があり、具体的な数値のみで指示する場合、穴径Φ10(+0.03/0)、軸径Φ10(0/-0.03)というふうに指示します。ちなみにカッコ内の数値...
設計ネタ

メカ設計と制御設計

先日お客様が発注した設備の中間立会のお手伝いに行ってきました。中間立会というのは、設備の製作途中でお客様が設備メーカーを訪問し、出来栄えや進捗を確認するとともに、製作途中で発生した問題点の共有やその対策を決める節目です。概ね配線、配管開始から電源投入までの間の時期に行います。 今回のハタオリベの役割は、設備設計者目線での問題点の抽出や、その対策方法の提案でした。朝9時から午後3時頃までしっ...
設計ネタ

エアオペレートバルブ活用のすすめ

私が機械設計を始めた30年以上昔、エアマニホールドは巨大サイズでした。それが今ではずいぶんコンパクトになりました。大がかかりな自動機では、エアマニホールドが10個近くになる場合がありますが、コンパクトになったおかげで何とか設備まわりに収まるようになりました。 それはそれでよいことですが、一方エアブローや、口径40ミリを超える大口径シリンダを制御する場合、エアの流量不足が発生します。これは内...
設計ネタ

タイミングプーリの話

設計のプチネタです。 サーボモータの回転をボールねじに伝達する場合、よく使われるのがタイミングベルト(以下、ベルト)とタイミングプーリ(以下、プーリ)です。 タイミングベルト(ミスミHPより) タイミングプーリ(ミスミHPより) そのプーリからベルトが脱落しないよう取り付けるのが「ガイドフランジ」(以下、フランジ)ですが、多くの設計者は当然のように、ふたつのプーリの両側す...
設計ネタ

図面が描ければ設計者?

私自身若い頃勘違いしていたのですが、ただ単に図面が描けても設計者とは言えません。製図は設計者に必要なスキルのごく一部です。それよりも大事なのは、きちんと計算ができて、その理屈が語れることです。 見様見真似でも製図のスキルは身につき、2,3年ぐらいでアクチュエータの付いたガイド機構の図面は描けます。製図ミスがなければその図面を元にして製作したものができあがります。しかしそこに計算や理屈がない...
設計ネタ

6次元設計

これは元職場で、ある先輩から教えてもらった設計ノウハウです。 製品設計、工程設計、設備設計等、設計にはいろいろありますが、どの設計を行うにしても「6次元の視点で考えなさい」という教えです。 では6次元とはなにか?ですが、、、 6個の次元のうちはじめの3つはいわゆる3次元空間です。具体的には大きさや形を指します。細かく言えば、すき間やガタもこのカテゴリーに入ります。これらはすべて...
設計ネタ

パワポによるポンチ絵

設計の構想段階ではポンチ絵がよく使われます。これは、これから設計製作しようとしている設備や加工ユニットのイメージのすり合わせに使います。 元々ポンチ絵は手描きの立体図のことを指し、実際私が新卒で会社に入った頃、先輩たちはもっぱら手描きでポンチ絵を描いていました。そしてその美しさ、素晴らしさに度肝を抜かれました。頭の中に立体イメージが明確にあり、それを描き起こしていたと思われます。「訓練すれ...
設計ネタ

チャックの把持力はワーク重量の10倍以上

設備設計の小ネタです。 エアチャックや電動チャックの把持力選定にはちゃんと目安があります。SMCのカタログ(例:6ページ目参照)を読むと、ワーク重量の10倍から20倍を推奨しています。 例えばワーク質量が100gの場合、推奨把持力は約100Nから200Nとなります。10倍と20倍の差は、チャックフィンガーとワークの摩擦係数を0.2ととるか0.1ととるかの差です(摩擦係数が0.2の場合...
タイトルとURLをコピーしました