メカ設計と制御設計

先日お客様が発注した設備の中間立会のお手伝いに行ってきました。中間立会というのは、設備の製作途中でお客様が設備メーカーを訪問し、出来栄えや進捗を確認するとともに、製作途中で発生した問題点の共有やその対策を決める節目です。概ね配線、配管開始から電源投入までの間の時期に行います。

今回のハタオリベの役割は、設備設計者目線での問題点の抽出や、その対策方法の提案でした。朝9時から午後3時頃までしっかりと設備を見せていただきましたが、現場では設備メーカーの社長さんやメカ設計リーダー、制御設計リーダー、仕上げのリーダーが対応してくれました。

元々レベルの高い設備メーカーであることと、設計中お客様と設備メーカーが密にコミュニケーションをとられていたことがあって(このプロセスはハタオリベはノータッチ)、致命的な問題点はありませんでしたが、別途計画されている次号機への設計反映事項をいくつか提言させていただきました。

中間立会が終わってその帰り際、設備に精通している設備メーカーの社長さんから「服部さんはメカ設計とお聞きしていますが、制御のことも詳しいように思いました。制御設計もできるのですか?」と声をかけられました。「ソフトはかけませんが、ある程度は分かります」と答えましたが、これはうれしい評価です。

通常設備設計部門はメカ設計と制御設計に分かれています。それぞれ専門性が高いこともあって、両方できる人はまずいません。ところが部門が分かれてしまうと往々にして、他部門(メカ設計から見ると制御設計)のことに興味を抱かない設計者が増えてしまいます。これはまずい傾向です。

難易度の低い設備はそれでもできますが、難易度が上がると、メカ設計だけ、制御設計だけでは解決できない課題が出てきます。こういうときはメカ設計と制御設計がしっかりとコミュニケーションを取らなければいけません。その際、お互いの仕事のことをある程度理解している必要があります。メカ設計でいえば、制御設計でできることをある程度知っていないと提案ができません。例えば「ここにこういうセンサーを取り付けたら、記憶送りの制御が成立しますか?」という提案です。

現役時代、私は制御設計や制御の仕上げの方たちと、かなりコミュニケーションをしてきました。そのおかげで難易度の高い設備も完成させることができました。メカ設計と制御設計がお互いをリスペクトし、お互いの仕事を理解しながら課題に当たれば、高いハードルが超えられます。責任を押し付け合うのは論外です。

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