書籍紹介「ほんとうの日本経済」

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某定期購読誌の書評で興味を持ち、読んでみました。どうやらこの10年間で日本の経済事情はガラリと変わったようです。

例えば、本当は正規雇用社員になりたいのになれない非正規雇用社員、いわゆる不本意非正規社員が、この10年で大きく減少しているそうです。理由は、この10年間で人手不足がかなり深刻になったからです。人手不足に悩む企業は、働ける人を正規社員として囲い込むことで、人員を確保しようとしています。

最近の賃上げ傾向も同じ理由です。これまでの給与水準では人がまったく集まらなくなってきています。だから給与を上げざるを得ません。政府や連合が「賃上げしてください」と言ってるから上げるのではなく、上げないと人が集まらないのです。

ただし給料をあげるとまともにコストに影響してしまいます。その分を価格に反映できるビジネスならよいのですが、一般的には無理です。そのため、企業は給料を上げるとともに、生産性も上げなければいけません。したがって、生産性を上げることが出来ない企業は、人が雇えなくて潰れるか、赤字が続いて潰れるかのどちらかです。

いよいよ本格的な「企業の淘汰」が始まったと言えます。

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