物流現場は自動化ネタの宝庫

工場の自動化というと、これまではもっぱら製造現場(製品を作る現場)の自動化と同義でした。しかし近年は物流現場(製品を積んだり下ろしたりする現場)の自動化が脚光を浴びています。その理由は、物流現場がこれまでずっと自動化と無縁で、手付かずだっただったからです。

会社という括りで見れば、製造現場の作業者も、物流現場の作業者も1人は1人です。最近の人手不足を考えれば、物流現場で省人を図るのもありです。

製造現場の自動化は、会社によってはやり尽くした感があり、大きな省人ネタがなかなかありません。一方物流現場は、製造現場における技術スタッフ(いわゆる生産技術)のような役割がいないので、自動化とは無縁でした。結果として自動化のネタが豊富に残っています。

しかし数年前から物流現場の人手不足がかなり深刻になり、いよいよ待った無しの状態になりました。特に大手メーカーを中心に本腰を入れた自動化が始まっています。自動化を進めるためのスタッフを確保し、自動化を進めているようです。

自動化成功例の記事を読むと、大型ロボットによるパレタイジング(製品をパレットに積み上げる作業)、デパレタイジング(パレット上の製品を1個ずつばらす作業)などがすぐに目につきます。

これに関連するのがパレットサイズです。ドイツではすでに国を挙げてサイズの統一化が進められ、ほぼ統一が完了したそうです。一方日本では、経済産業省が音頭を取って統一化を図ろうとしていますが、未だ様々なサイズが使われ、自動化の妨げになっているそうです。しかし流れとしては統一化の方向に向かっていくと思われます。

製造現場の自動化手法をそのまま当てはめることはできませんが、これからの自動化の軸足は、物流現場に移っていくような気がしています。

タイトルとURLをコピーしました