設備仕様書を職場に展開する方法

新年明けましておめでとうございます。デンソーを退職してから今年で6年目を迎えます。振り返ればあっという間の月日です。今年もお客様の自動化や現場改善に貢献していきます。

さて私が講師として参加しているLAスクール(自動化コース)では、設備仕様書(以下、仕様書)の作成を強く勧めています。受講生の方たちに尋ねると、およそ半分の会社は仕様書を作成していません。また作成していても、その内容が薄いです。そのため講義では仕様書の必要性や、仕様書に書くべきことを丁寧に説明していますが、ときどきこういう質問を受けます。

「今日の講義で、きちんとした仕様書を書くことの重要性はよく理解できました。しかし私の会社では現在書く習慣がなく、職場に帰っていきなり仕様書を書いていると『そんなのは時間のムダだ』と上司や先輩から言われそうです。どうしたらいいでしょう?」

とても切ない質問です。実を言えば30年以上前、私がいた職場にもそんな雰囲気がありました。当時デンソーでも、仕様書を書かない部署が多かったです。それでもその後、私を含めた一部の部員が仕様書を書き始め、スムーズに案件を完了させていく結果を積み重ねて、私の部署でも仕様書を書くことが認知されていきました。その時の状況を思い出すと、質問者の気持ちがよくわかります。

そこで私はこう答えました。

「たしかにいきなり『みなさん仕様書を書きましょう』と言っても、それまでそんな習慣のない職場では『は?』となりますよね。なので、こうしてはどうでしょう?上司の方にこう言います。『先日受講したLAスクールで仕様書の重要性を学びました。ついては一度今度の案件で仕様書を書いてみたいです。そのうえで、その案件が終わったあと、仕様書の効果を報告させてください』と。」

こう言われて否定する上司はまずいないと思います。もしも頭から否定する上司がいたなら、転職を考えてもいいかもしれません(笑)

この持っていき方のポイントは「試しにやらせてください」というスタンスです。書けば必ず効果があるのですから、あとは結果で示すだけです。今は仕様書を書いてない方たち、ぜひお試しを。

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