設備設計の小ネタです。
エアチャックや電動チャックの把持力選定にはちゃんと目安があります。SMCのカタログ(例:6ページ目参照)を読むと、ワーク重量の10倍から20倍を推奨しています。
例えばワーク質量が100gの場合、推奨把持力は約100Nから200Nとなります。10倍と20倍の差は、チャックフィンガーとワークの摩擦係数を0.2ととるか0.1ととるかの差です(摩擦係数が0.2の場合10倍)。金属同士の摩擦係数は一般的に0.3程度なので、0.2でも厳し目の条件といえます。
さらに搬送で生じる衝撃(急な加減速)も織り込まれているので、20倍の把持力があれば「落とす」ということはまずありません。
ただしあまり把持力を大きくするとフィンガーが早く摩耗するので、20倍までに留めておく方が無難です。
何となく感覚で把持力を選定している設計者もいますが、上記のようにカタログをきちんと読むと選定基準が示してあります。面倒くさがらず、一度は最初から最後まで目を通すことをお勧めします。