設計のプチネタです。
サーボモータの回転をボールねじに伝達する場合、よく使われるのがタイミングベルト(以下、ベルト)とタイミングプーリ(以下、プーリ)です。


そのプーリからベルトが脱落しないよう取り付けるのが「ガイドフランジ」(以下、フランジ)ですが、多くの設計者は当然のように、ふたつのプーリの両側すべてにフランジ(計4個)を取り付けてしまいます。
もちろんこうしておくとベルトの脱落防止としては完璧ですが、ベルトの交換作業は最悪です。ベルトを交換したいだけなのに、モータやブラケットまで外さないといけません。
ところがベルトやプーリの大手メーカー椿本チエインが発行している取扱説明書をよく読むと、4個取り付けなくてもよいことが分かります。

例えばプーリ軸が水平の場合、プーリ間ピッチが小プーリ直径の8倍以下なら、大プーリにフランジを取り付ける必要がありません。これならベルトのテンションを少し緩めるだけでするりとベルトが抜けます。
またプーリ軸が垂直の場合、大プーリの上側にフランジを取り付ける必要がありません。
これらのテクニックは意外と知られていないのですが、このようにしておくとメンテナンス時間の大幅な短縮が図れます。取扱説明書はこうしたテクニックの宝庫です。