検査機(あるいは検査ユニット)の管理方法をどうしたらよいかというご質問をお客様からときどきいただきます。今回はその管理方法を紹介します。
まず管理方法は「機能確認」と「精度確認」に分けます。
【機能確認】
例えば製品寸法を検査しているユニットがあるとすると、機能確認では、規格上限NG品、規格下限NG品、OK品の3つの確認用ワークを用意します。このときのNG品は規格ぎりぎりのNG品ではなく、明らかなNG品です。またOK品は規格のど真ん中のワーク、つまり明らかなOK品です。
これらを検査ユニットに通し、OKはOK、NGはNGと判定され、その通り仕分けられるかを確認します。この際「仕分けられるか」まで確認することがポイントです。自動機の場合、制御プログラムが不完全だと、せっかくNG判定したのにOK側に仕分けてしまうことがあるからです。
これが機能確認です。機能確認は1日に1回、あるいは1直に1回、日常の管理として使います。
【精度管理】
一方精度確認は、計測器そのものの精度確認です。この場合も機能確認とほぼ同じ寸法狙いのワークを用意しますが、あらかじめ外部の信頼できる測定機(いわゆる神様測定機)で寸法を測定しておきます。これらのワークを検査ユニットに通し、その測定値と神様測定器の測定値を比較し、許容される測定誤差の範囲にあることを確認します。
これが精度確認です。精度確認は1ヶ月に1回、あるいはそれ以上の間隔で行う管理です。
このように通常は機能確認と精度確認を組み合わせて検査ユニットの管理を行います。
ただしこれらの管理方法は、工程設計上必要と決めた検査の場合で、客先要求からくる検査はこれ以上の厳しいものになります。具体的な管理方法は客先と相談して決めることになります。