今でも仕事の関係でデンソーに伺うことはよくあります。そんなとき気になるのは、デンソーで働く人たちの元気の無さです。なんとなくうつむき加減でとぼとぼ歩いているデンソー社員さんのなんと多いことか。
おそらくこれは今に始まったことでなく、私が在職中のころと変わってないのかもしれません。外に出たからこそ気づく風景なのでしょう。
そして構内を移動していると、ときどき元同僚と出会い、お互いの近況を交換したりします。まもなく60歳定年を迎える人、60歳を超えて再雇用で仕事を続けている人、様々ですが、聞いてみるとほとんどの方が、この先どうするかを決めてないというか、もっと言えば深く考えていないようです。
お給料がいいので、経済的には心配ありませんが、問題はこの先何を生きがいにして生きて行くかという根源的な問題について、ずっと先送りをしているように見えて仕方がありません。もちろん要らぬおせっかいは言いませんが、ちょっと心配になります。
ところが不思議なことに、近況交換のあと少なからぬ人が別れ際、私に「がんばってくださいね」と声をかけてくれます。「ありがとうございます」と応えますが、内心、「いや、がんばるべきはあなたでは?」と思ったりします。
私は別にデンソーが嫌で辞めたわけではなく、もっとやりたいことがあった辞めたわけで、しかも今は仕事もプライベートもうまくいって生きがいも感じているので、はっきり言って順風満帆です。デンソー社員さんこそ頑張って自分の人生を深く考えてほしいと願ってやみません。