アンテナを高くするには、、、

在職中しばしば「アンテナを高くしていなさい」と上司や先輩から言われました。

「分かりました」と応えたものの、30代ぐらいまで、していたことといえば、ビジネス関係の雑誌を読んだり、展示会に行ったりすることでした。もちろんこれはこれで有効だったのですが、一方で、「こんなことで『アンテナを高くしてます』と言えるだろうか?」と自問自答もしました。

40代ぐらいになって少し進化しました。「そうだ、自分が抱えている課題を意識すればアンテナの感度が高くなる」と。たしかにやみくもに情報収集しても意識に引っかかりません。そういう意味で感度は上がりました。しかし「じゃあ、何が課題?」と考えると、実はそれほど多くなく、ほとんどが今抱えている仕事(案件)の関連でした。

そんなアンテナの感度をさらに上げられたのは、50代になってからです。

恥ずかしながらこの頃になってやっと「あるべき姿から課題を抽出する」という思考方法ができるようになりました。それまでは上司や依頼者から提示されたものが課題で、そのほとんどは知っていることやできることで解決できました。だから課題が少なかったのです。

ところが「あるべき姿」を考えるようになってからは、意識する課題が増えました。それはどういうことかというと、、、

そもそも「そんなことできるのだろうか?」という懸念を無視して考えるのがあるべき姿です。そのうえで「なぜそれができないのか?」を考えると課題が浮かび上がってきます。逆に言えば、その課題が解決できればあるべき姿は実現できます。ある意味「あるべき姿」は妄想や空想に近いのかもしれません。すぐに解決できなくてもこれを考えるのが楽しく、自動的に自分の中の課題が増えていきました。

つまり今の私にとって「アンテナを高くする」ということは、いつも現状に満足せず、常に「本来はこうあるべき」という「あるべき姿」を思い描き、その障害になっている課題を意識することです。

「では、あるべき姿はどうやって考えるか?」というと、それは別の機会にお話したいと思います。

タイトルとURLをコピーしました