世の中に無駄な経験はない

会社生活を思い出すと、つらい仕事もたくさんありました。

完成の目処が立たない案件、無理な納期、どう考えても達成できそうにないコスト、などなど。

「あんな仕事、二度としたくない」と思う一方、あの経験があったからこそ今の自分があると思っています。

つらい仕事に直面すると人はつい誰かのせいにしたくなります。もちろん私にもそういう気持ちはありました。しかしそれを言ってみたところで仕事は一歩も前に進みません。

前へ進むために今何をすべきか?その構えで関係者に正面からぶつかっていくと、必ずこの難題を突破するアイディアが見つかりました。それは必ずしも技術的なブレークスルーだけではありません。お互いが妥協できる着地点を見つけて乗り切ったこともあります。

乗り切ったあとに、「なんでこうなってしまったんだろう?」と振り返り考えることもよくありました。苦戦した理由が自分の技術スキルの不足であったり、段取りや交渉の拙さだったと気づけば、この経験も無駄にはなりません。

そう、世の中に無駄な経験はないのです。ところが世の中には経験を無駄にする人がいます

この人たちの特徴は、仕事が行き詰まったとき常に「運が悪い」「あいつが悪い」と考えます。たしかに何割かはそうかも知れません。でも何割かは自分に問題があることに気づきません。そしてことが収まると「無駄な時間を過ごした」と考えます。実にもったいない話です。

どんなにひどい経験もスキルアップのチャンスです。渦中にいるとそんなふうに考える余裕がないかもしれませんが、ちょっと深呼吸してそう考えると、立ち向かうファイトが湧いてくるものです。

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