設備仕様書は誰がつくる?

デンソー在職中、設備メーカーから見積を取得するための設備仕様書(以下、仕様書)は自社で作成していました。それが当たり前で、他社でも当然そうしていると信じて疑ってなかったのですが、デンソー退職後、この仕事を始めていろいろな会社の方から話を伺うと、必ずしもそうではないことを知って驚きました。

つまり一部の会社では、仕様書は自社で作成するものではなく、設備メーカー(あるいは間に入る商社)が作成しているそうです。このような仕様書は「見積仕様書」と呼ばれていて、見積打ち合わせ時に口頭で伝えたり、断片的な資料を提示して伝えたりした内容を、設備メーカーが議事録の形で書き留めたものです。設備メーカーが提出する見積書はこの見積仕様書に基づいているというわけです。

なるほど発注側からするといかにも効率的な仕事に思われますが、いくつかの大きな問題点があります。

ひとつは「漏れ」が発生しやすいです。仕様書には抑えるべき項目がたくさんありますが、打ち合わせだけでそれらを網羅するのは不可能です。自社で仕様書のフォーマットを作って抜けのない仕様書を作らなければなりません。

また、複数の設備メーカーから見積を取得する場合、それぞれに見積仕様書が存在することになります。当然ながらまったく同じ仕様書にはなりません。ということは、それぞれの前提が違うので、正確な見積金額の比較ができません。

さらに見積仕様書の場合、自社の技術の蓄積がしづらいです。自社が書く仕様書と設備メーカーが書く仕様書では、自ずと視点が違います。設備メーカーが書く仕様書には「なぜそうしたか」の記載がありません。結論だけが書かれています。これは次号機をつくろうとしたときに困ります。それでも前号機と次号機で担当者が同じならまだ連続性があります。しかし担当者が変わると「なぜ」の部分がブラックボックスになってしまいます。ここで技術はゼロリセットされます。

そういうわけで、設備仕様書は自社で作成することを強くお勧めします。自社で作成する自信のない場合は、ハタオリベがお手伝いいたします。その際は気軽にご相談ください。

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