安売りに思うこと

消費者の立場で言えば、モノやサービスの価格が安いに越したことはないのですが、その安さの根拠が、それを提供する会社の従業員の低賃金なら、気持ちは複雑です。従業員の給料が低いと購買力が下がり、ますます安いものしか売れません。いわゆるデフレスパイラルです。

この状況を打破するには、ひとえに経営者の意識改革が必要です。どこでもできる仕事をどこよりも安く受注しているうちはこの地獄から抜け出せません。その会社にしかできない技術やサービス=付加価値を身につけて、価格競争力を付けなければいけません。

大手にくっついていれば当分は食いつなぐことができますが、それもジリ貧です。その大手自身がジリ貧になってくると、あっさり見捨てられます。食いつないでいるうちに、何とか新しい技術やサービスを開発して、大手に依存しない体制を作り上げなければいけません。

では従業員は経営者におまかせでいいのか、というと、やはりそうではありません。そこには相似形の縮図があります。

誰でもできる仕事だけを選り好みしてやっていると、そのうち「代わりはいくらでもいる」という位置づけの社員になり、会社が傾いてくるとあっさり整理対象になります。逆に、尖ったスキルを身に着け、どこに行っても通用する人材になれば、仮に会社が潰れても何とかなります。

経営者も従業員も、自社(自分)の付加価値は何かを常に問い続ける姿勢が必要と思います。

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