5Sが必要な本当の理由

製造業に携わる人で「5S」を知らない人はいないと思います。どの現場でも、新人のころからしつこいぐらい叩き込まれるからです。でもなぜこれが必要か、腹落ちしている人は少ないのではないでしょうか?

5S=整理,整頓,清掃,清潔,しつけ

正直言って、これを徹底するのは手間がかかります。もっと言えば面倒くさいです。そうまでして行ううれしさは何でしょう?管理者の自己満足やアピールのための活動であるなら、やらされる方はたまったものではありません。

実は5Sにはとても大事な効能があります。それは異常の早期発見です。

ふだん整理整頓された状態の現場が乱れていたら、何らかの異常が発生していることを示しています。何らかのトラブルで通常作業が行えない状況になっているとか、手持ちのワークの数に過不足が発生しているとか。

あるいはいつも清掃してある設備のベッド面に摩耗粉が大量に落ちていたら、設備の異常が考えられます。これがふだんからきれいにしていないと、いったいいつからこの状態になっているのかわかりません。気づかずに使っていると、あるとき突然設備が壊れて大停止になります。

現場管理の要諦は、いかに早く現場の異常に気づくかです。そのために各種の電気的センサーを取り付けたり、作業者の訓練を行ったりしますが、5Sはそれ以上に有効なセンサーです。

もっとも、5Sのおかげでせっかく異常を早く見つけたのに、それを打ち上げて対応するしくみがなければ意味がありません。感度の良い職場というのは、5Sと現場改善がうまく連携している職場です。

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