部品の使い分けでコストダウン

精密機器メーカー大手のTHKから販売されている「アクチュエータ/コンパクトシリーズ」という商品があります。LMブロックとボールねじナットが一体構造となったもので、これにサーボモータを取り付けて、サーボアクチュエータとして設備に組み込みます。このラインナップのSKRという型式は内部にグリースが封入されているため、ハイサイクル、長時間の過酷な使用に耐える最高級機種です。

この型式を使えば間違いはないのですが、ときどきしか動かないユニット(例:パレットチェンジャー等)にまで使うのは考えものです。はっきり言ってもったいないです。こういう箇所には例えば同シリーズのKRという型式がお勧めです。あるいは他社製の安価なサーボアクチュエータでもよいと思います。

要は使用環境に応じて型式選定にメリハリを付けるのがコスト意識です。コスト意識の高い設備メーカーはちゃんとこういう使い分けをしています。何でもかんでも過剰スペックの機器を使っているうちは、設備の価格は下がりません。

ただこれを実行するには使用条件を見切らなければならないのでそれなりの技術力が要ります。きちんと荷重、モーメント、最高速度を把握し、機器メーカー提供の取扱説明書や技術計算支援ページを活用して限界内を見極めなければなりません。したがってコスト意識の高いメーカーは、技術レベルも高いと言えます。

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