デンソー在職中(~2019年まで)は「工機設計」という職種に従事していました。工機設計の別名は「専用機設計」です。つまり社内で使う専用機(量産機)の設計を行っていました。細かく言えば工機設計はメカと制御に分かれ、私はメカの方でした。
デンソーは社内に工機部門(専用機を設計製作する部門)を持ち、製品の付加価値を高める専用機を自社製作しています。とはいっても、すべてを自社で設計製作するわけではなく、社外の設備メーカーも多く活用します。そのため私の実務は、図面を描くことではなく、次のようなものでした。
- 生産技術部門から受け取った仕様書の精査とレベルアップ
- 課題の抽出と解決策提案
- 全体と重要箇所の構想設計
- 設備メーカーからの見積取得
- 設備メーカーの設計支援
- 専用機設置後の稼働率向上活動
いわゆる「設計」のイメージとは違う実務内容かもしれません。10年以上前にある設備メーカーの設計者から「服部さんは設計者というよりプロデューサーですね」と言われました。たしかに「プロデューサー」は腹落ちする呼称です。けっこう気に入ってました。
また私は、「社内初」とか「国内初」といった新規案件が好きでした。もちろん実現までには課題がたくさんありましたが、それはやりがいでもありました。会社生活を振り返れば、つらいことももちろんありましたが、トータルで考えれば幸せな日々を過ごしたと言えます。